絵を描く際、資料を参考にすると想像だけで描いた時よりもリアリティが大きく増すことがあります。
ですが、それはあくまである程度描けるようになった段階で上手く資料を活かせた場合の話です。
初心者が資料を参考にする場合は上手く活用できず、どちらかというと模写よりになってしまう可能性が高いでしょう。
そこで今回は、資料はまだ見ずに描くという部分に重点を置いてそのメリットデメリットを説明して行こうと思います。
そもそも資料ってなに?
絵を描く際に使う資料は、現物から写真まで様々です。
中でも手っ取り早く手に入れられるものはネットでの画像検索になるでしょう。

1番いいのは現物があることです。
自分の求める角度から好きなように観察出来たりしますが、そうそう手元に都合よく欲しい物があることの方が少ないと思います。

現物なら手で触れて質感なんかも確かめられますから

ピクスタみたいな素材配布のサイトでなら画像資料は手に入るんだけどね
画像検索における写真の数々は絵を描いて行く上では欠かせなくなってくるでしょう。
つまるところ絵を描く際の資料とは、想像だけでは補えない部分を手っ取り早く補える物ならなんでも大丈夫ということです。
写真、現物、他人の絵、風景、粘土、3Dモデル等探せば色々ヒントを得られるでしょう。
資料を使った練習法を先に知りたい方はこちらの記事がオススメです↓
資料を見ないことのメリット
しかし、今回の記事では初心者が資料を参考にすることをオススメしようとは思いません。

資料とはあくまでも参考にするものなのですが、描くことに慣れていない段階で参考にしようとすると大体の人がほぼ同じような角度で模写をしているような絵を描いてしまう可能性が高いです。

確かにまんま写しちゃってる感じはあるわね
資料を参考にすることで確かに絵に説得力を持たせることが出来ますが、参考を活かせるかどうかは元々の画力に起因してしまいます。

画力が足りない状態だと応用が効かずに、ただ写すだけになりがちってことですね
初心者の間は資料を見ないことで得られるメリットに注目してみましょう。
メリットとして上げられる点で1番大きいのは 「想像したものを描き出す練習になる」ということです。
資料を見るのはこの想像したものを更に鮮明にしていく為だと思ってください。
そもそも想像したものを描き出す能力が乏しいと資料を見る意味が感じられないということが何となくは理解出来そうでしょうか?
筆者の経験上ではありますが、最初の内は資料を見ずにこのメリットを活かし画力向上に努めることをオススメします。
資料を見ると何が変わる?
先程も記載した通り、想像したものをより説得力ある絵に近づけることが出来ます。
例えば、人の裸体を何となくの想像で描いてみたとしましょう。

それとなく人間をデフォルメしたような滑らかな裸体が完成し、それで終わりです。
手の形や、筋肉の付き方、耳の位置や、骨の角張り等細かな部分が疎かになっているであろう想像ができませんか?
私達の中には無意識的に人の裸体はこういうものだという記憶があります。
毎日見ると思うので当然ではありますが、手の形や筋肉の付き方等も無意識的に記憶しているでしょう。
想像だけで描いた裸体を見た時に、何となく
「腕長くない?」
「鎖骨の位置おかしくない?」
「手の指そんな形だっけ」
と、普段見るものほど狂った形に違和感を 感じるはずです。

この絵が人の裸体ではなくモンスターの裸体であればそれでも問題はありません。
問題なのは自分で人を描いて他の人が見た時、形に違和感を覚えさせてしまった場合です。
その違和感を出来るだけ取り除く(より説得力のある絵にする)ため資料を活用するのが本来の目的です。

元々の画力があって資料も生きるわけね
私はデフォルメしか描かないから資料は見ないという方もいるかもしれません。
しかし、デフォルメは元あるものの表現を抑えた表現です。
敬遠せずに基礎(本来の形)を固めてから崩していく(デフォルメしていく)方法を筆者はオススメします。
それによって画風の幅も広がっていくでしょう。

資料を使いながら想像したものの違和感を取り払えれば完璧ってことですね
まとめ
長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は資料を見ないことで得られるメリットを軸に説明させていただきました。
資料を活用しないメリットを練習方法として、逆に資料を使うことで得られるメリットは説得力のある絵に近づけるものという知識を役立てて頂ければ幸いです。
メ夢
仕事と趣味で絵を描いています。
一時期アニメーターをしていたこともあり、実名ですがウィキペディアの方にも少しだけ載ることが叶いました。
これから絵を描き始める人や少し躓いている方へ役立つサイトになるよう日々記事を更新中です。
どんなに下手でも続けていれば私程度の画力は有することができますので、画力向上の道しるべとして当ブログをお使いください。