突然ですが、絵は情報量の塊という認識はお持ちでしょうか?
1本の真っ直ぐな線とイラストの線画を比べるとまるで存在感が違うのはなんとなく想像出来ると思います。
同じ線なのに存在感が違うのは見える情報量が違うからなのです。
描きなぐった粗い線の絵を綺麗に整えるとなんだか物足りないなと感じるのも同じ現象だったりします。
今回はそんな線画がぱっとしない方や、物足りなさを感じている方に向けてそれらを解決する為の方法を説明していこうと思います。
線画の太さに注目してみよう
一律の太さで描いた線画よりもある程度線の太さにバラツキがあった方が見栄えが良くなります。
バラツキと言ってもところ構わず太さを変えるのは逆効果になってしまうので見極めは必要になりますが、一律の太さよりは1枚の絵に存在感を持たせられるようになります。
これは決まった場所の線を濃く太くすることで得られる視覚的な効果で、線と線が交差する場所や線の付け根に当たる部分を太くする意識で取り組んでみてください。

見極める難易度が上がりますが円を描くように膨らみがある場所(顔であれば頬のような膨らみがある場所)の線を太くする事でも線画に動きを持たせることが出来るでしょう。
また筆者の場合、まつ毛や眉毛は線画と同じレイヤーで扱ってしまうため黒塗りしてしまう事がほとんどです。

まつ毛や眉毛の色、線画の太さを後から調整したい場合でも、上からレイヤーを重ねてしまえば後から修正は可能なのでレイヤー分けに迷っている場合は試してみてください。
清書は線画をなぞるだけの作業じゃない?
イラストで言う清書とはラフ画(下描き)を色塗りが出来る状態の線にすることですが、下描きをただなぞるだけではいけません。
下描きを更に描きこんでいくイメージで取り組んでみてください。

線を綺麗にしつつ、描き込みや形がラフな所を整えていくのが清書です。
そのままなぞるだけではもう1枚下描きを作成することと何ら変わりはありませんので気をつけましょう。
もし下描きの状態から形を整えることが難しいと思うのであれば資料を参考にするのも一つの手です。
特に手の形が下描きの状態で描き込まれていない場合は、自分の手で同じようなポーズを取ってみると想像しやすいかと思います。
それでも難しいと思う方は1度手の模写に時間を割くか3dモデルやデッサン人形を使ってみましょう。
筆者が参考にしている資料やデッサン人形について知りたい方はこちらもご覧下さい。
線画の線量は多いほど良いもの?
描き込みが多ければ多いほど後の工程に響いてきますが、それを抜きにして線の量が多い方が上手く見えるのかと言われれば絶対にそうということではありません。
確かに細部まで描きこんである絵は上手く見えるものが多いですが、それだけに時間が掛かります。
描き込まなくてもいい部分は省略してしまうのも一つの手でしょう。

どんなタッチの絵を描くかにもよりますので一概には言えませんが…
イラストで言えば分かりやすいのは髪の毛でしょうか。現実的に髪の毛を描こうとしたら1本1本描いていくのは大変ですよね?
多くのイラストは髪の毛をある程度の束と考えて描いてあると思います。

気にしてなかったけど、言われてみれば束で描かれてるイラストが多いわね
全部を欲張って描こうとしない考えが大切になります。
また、省略で一番参考になるのはアニメのキャラクターでしょう。
アニメはイラストとは違い、動かすことに重きを置くので線が多いと必然動かしずらくなります。

絵を動かすなら描き込みに具合にも敏感にならなきゃいけませんね
不必要な服のシワや髪の毛、影、模様はできる限り省略されている事が多いですので是非参考にしてみてください。
原作を元に作られているアニメとその原作を見比べて省略されている部分を探すのも面白いかもしれません。
まとめ
今回は線画について抑えるべきポイントを紹介しました。
線画は多くのイラストで描く際の基盤となる大事な役割を持っています。
線画の見栄えが良ければそれだけでも絵として作品になることがあるでしょう。
塗ってしまえば目立たないからと高を括らずに線画はしっかりと制作しましょう。
また、線画が描けるということは線だけでその物の形を捉えられているという証明にもなるので画力の高さをアピールするには丁度いいと筆者は思います。
メ夢
仕事と趣味で絵を描いています。
一時期アニメーターをしていたこともあり、実名ですがウィキペディアの方にも少しだけ載ることが叶いました。
これから絵を描き始める人や少し躓いている方へ役立つサイトになるよう日々記事を更新中です。
どんなに下手でも続けていれば私程度の画力は有することができますので、画力向上の道しるべとして当ブログをお使いください。