一体のキャラクターを描けるようになるまでに、初心者の方が躓きやすい人体のパーツというものがいくつか存在します。
納得のいく絵を描くにはそれらを克服してデッサン的に整った人体を描く必要がありますが、一朝一夕で完成させられるほど人体は簡単ではありません。
描き方を見たからと言って一発で描けるようになる保証はありませんが、描き方を見ないよりかは見た方がいいのも確かです。
そして出来るなら実際に真似してみることを繰り返して自分のものにしていくのが理想です。
誰の絵を真似するかはそれぞれの好みによりますが、今回何かの縁で当ブログに来ていただいた画面の前のあなた様は絶賛髪の毛の描き方に困っているかと思います。
当記事で今回紹介するのは線画による髪の毛の描き方になり、なるべく初心者の方の疑問を解決できるよう複数の画像を用いて説明しています。
せっかくの機会ですので、読むついでに画面の前のあなた様の練習に一役買えれば幸いです。
髪を描く前にラフ画を描いてみよう
さっそくですが、まずはラフ画を描きます。
今回は以下のラフ画に髪の毛を生やすところをゴールとしてみましょう。
髪の毛を描くためなので頭の形が分かる程度の描き込みで問題ありません。
目、耳、鼻はある程度形と配置場所がわかれば大丈夫です。
先に頭部の描き方が詳しく知りたいという方はコチラの記事を合わせて読んでみてください。
「手抜きじゃん」と思う方もいるかと思いますが手抜きは大事な考え方で、要らない物を描き込むより描くべきものに注力することで作業効率の向上を見込めます。


背景とかも遠景より近景を描き込んだりするけどそれと近い考えね、なるほど。
頭のラフ画が出来たらそのまま髪の毛のラフ画を描いていきましょう。
細かく画像を分けてありますので「いきなり変化してんじゃん」ってことにはなるべくならないようになってるはずです。


どこまで前髪をおろすのか、束感はどの程度か等の位置決めをするイメージで描いていきましょう。
前髪を決めたら横と後ろの髪のラフ画も描いていきます。


重力に従って下に流すことを意識して描くと自然な流れを作りやすいです。
絵における重力の話を詳しく知りたい方は以下の記事も読んでみてください。
続いて前、横、後ろ髪のラフ画をさらに描き込んでいきます。


この程度描き込みが出来ればあとはこれをもとに線画を描き起こしていって大丈夫です。
あまり描き込み過ぎるとどの線を拾えばいいのか分かり難くなるので自分で清書しやすい段階のラフ画で切り上げることをおすすめします。
ラフ画から髪の毛を線画に描き起こそう
まず、先ほど完成させたラフ画の透明度を下げていきます。
透明度は各ペイントソフトのレイヤーで調整しましょう。
レイヤーとはなんぞやという方はコチラの記事を先に読んでみてください。
透明度を下げた状態のものが以下の画像になります。


ラフと同じように前髪から仕上げていきましょう。
描く順番は人それぞれなので自分の描きやすい手順を模索してみてください。
筆者の場合は大体前髪から決めていきます。


コツとしてはラフをなぞるのではなく、ラフを元により細かく描き込む感じです。
多くの場合「それが出来ないんだよ!」と言われるかもしれませんが、これに関しては単純な画力の問題になってきますので、いきなり上手いものを描くのではなく現状自分の描ける最大限の髪の毛を意識して描いてみてください。
筆者にも同じように「だからそれが出来ないんだよ」という時期はありました。
もちろん、今でもあります。
いきなり描ける人は誰もいませんので、現状自分の描ける最大限を描くことをめげずに続けていきましょう。


太い束と細い束、毛先の分散を意識して描いていきます。


同じ方向に分散させるよりもばらつきがあると自然に見えやすいです。
前髪が決まってきたら、後ろ髪にも着手していきます。


後ろ髪も同様に、ラフ画から毛の流れを読み取り描き込んでいきます。
上から下に線を流しつつ、完全にまっすぐな線にはならないように所々丸みを加えて毛感がでるよう試行錯誤していきましょう。


どれがいらない線でどれがいる線なのかを分別しつつ進めていきます。


ラフは毛の流れを意識するためのものとして考えるのがコツですよ


ある程度形が出来たら、別れ毛を生やしていくと髪の毛感が増します。


上の画像と比べると、髪の流れから飛び出している毛が増えているのが分かりますでしょうか?
枝毛や別れ毛をこのように足してあげるだけで一気に髪の毛に近づいていきます。


つむじ付近から流すように線を描き込んでいきます。


後ろ髪も同様に下に流すように線を加えていきます。
ここまで来たら最後に仕上げで、ラフ画を非表示にしましょう。


ラフ画を消して全体的に問題が無さそうであれば髪の毛の線画が完成になります。
多少、荒っぽさが目立っても塗ってしまうと案外線画は目立たなくなるので塗った後でまだ気になるようであれば修正を加えましょう。
要点をまとめると以下の通りです。
ラフ画はあくまで線画を描き超す際の参考として扱う。
髪の毛は細さ、太さ、束感、毛先のばらつきを意識すること。
枝毛、別れ毛を生やすと髪の毛感が増す。
線画を仕上げた際に多少荒っぽさが残っていてもとりあえず塗ってみること。
今回は分かりやすくロングの髪の毛を題材にしましたが、他の髪型の参考も気になるという方はコチラの参考本が複数の髪型の描き方を取り扱っているのでおすすめです!
まとめ
髪の毛を線画で描く際のコツは今回の記事でつかめましたでしょうか?
もちろんほんとの初心者の方であればいきなりこんなのは描けないと思ったり、「だからその毛をどう描くんだよ」と思ってしまうことがるのも分かります。
筆者自身も別段上手すぎるというわけではありません。
ただ、自分もそのような経験があったからこそ今描けない人にも伝わるようなるべく細かく今回の記事を仕上げてみました。
一朝一夕で描けるようになるものではないですが、今回の描き方を参考に是非自分の絵に活かしてみてください。
メ夢
絵師レベルとしては、なんやかんやでウィキペディアにも実名ではありますが、制作人として記入される程度までは這い上がることが出来ました。
私が絵を描き始めたとき周りの人間はお前には無理と罵りましたが、そんな画力のなかった人間でも実名が載ったときは少しばかりは目立てるのだと歓喜したものです。
つまるところ当ブログで何を伝えていきたいのかというと、今画力が無くて絶望している貴方でも、私程度の画力は有することが出来るよってことが伝わっていけばいいなと思います。