絵を見る側の印象は同じキャラクターや風景でも角度や距離によって違ってきます。
キャラクターの見せ方で言うところの煽りや俯瞰という単語は聞いたことがあるでしょうか?
それらもカメラワークの一種となり絵を描く上で重要な要素となります。
今回はそんなカメラワークが絵に与える視覚効果を焦点に当て説明していきます。
どこからどこまでがカメラワーク?
カメラワークと一括りに言ってもあまりピンと来ない方が多いと思います。
絵がどの角度のどの距離で見えているかをカメラのレンズ越しに見たとする例えの表現がカメラワークという言葉に置き換えられています。
完成された絵には大体カメラ視点があると考えていいでしょう。
上記を踏まえて、例えばキャラクターの顔をアップで描いた場合はキャラクターの顔面付近にカメラがあるということになります。

カメラをキャラクターの真上に配置したとしたら、頭の頂点が写された絵となります。

絵を1枚の写真と見立て、どの位置にカメラがあったらその絵が完成するかを考えること自体が絵で言うところのカメラワークでしょう。
見せ方はいくつある?
絵の見せ方に際限はありません。
しかし、カメラの配置をいくつかの種類に分けることは可能です。
代表的なものだと冒頭にも紹介した煽りと俯瞰、フルショット、ミディアムショット、バストショット、アップショット、クローズアップがあります。

種類だけでもたくさんあってこんがらがるわ
煽り、俯瞰は簡単に言うと下から見るか、上から見るかの違いです。
人の顔を下から斜め上方向へ見た場合の写り方を煽り、上から斜め下方向へ見た場合の写り方を俯瞰と感覚的に覚えておきましょう。

それぞれの意味よりかは、どの距離角度で見栄えが良くなるかを意識しましょう
本来の意味はもう少し複雑ですが、最初の内は何となくのイメージで大丈夫です。
カメラワークには角度の分野と距離の分野があり、煽りと俯瞰は角度の分野になります。
後者である距離の分野には、先程のフルショット、ミディアムショット、バストショット、アップショット、クローズアップ等があります。
フルショットは、頭から足までの全身が写る状態のことを言います。

ミディアムショットは、へそ周辺より上が写っている状態のことを言います。

バストショットは、胸部より上が写っている状態のことを言います。

アップショットは、顔単体が画面いっぱいに写っている状態のことを言います。

クローズアップは、顔単体を目や鼻しか写らないくらいまで更にアップにした状態のことを言います。

カメラワークはどちらか片方の意識だけではなく、角度と距離の両方を意識して使いましょう。

実際に道具を使って距離を測ってみるのも勉強になるわ
オススメなのはデッサン人形を使って自分がカメラ目線に立ってみることね
デッサン人形は下の記事でオススメのものを紹介してるから
気になる人は見てみるといいかも!
思った通りのカメラワークが出来ない時は?
カメラワークと言っても絵を描く際には実際のカメラは存在しません。
あくまでカメラのレンズ越しに写したらという程での想像です。
実際には自分の画力が足りないと、思った通りの角度や距離にはならないでしょう。

確かに、実際カメラを動かせるかは画力に起因しちゃうわよね
カメラの位置を平面上で変えようと思うなら遠近法の理解が必要になります。
また、ボックス描きと呼ばれる形を箱に置き換えて遠近感を把握しやすいようにする方法も効果的でしょう。
ボックス描きについて詳しく知りたい方は以下の記事がオススメです。
遠近法を詳しく知りたい方は以下の記事がオススメです。
まとめ
カメラワークを正しく理解することで絵を描く際の表現が増えます。
アングルへの意識や絵の写らない画面外への意識を持つこともカメラワークを理解する上で重要な要素となるでしょう。
カメラワークはアングルや距離によってその絵を見る人へ与える印象が変わります。
実際に自分で描いてみてどのアングルがどのような印象になるのかを模索してみるのもおもしろいかもしれません。
講座として学ぶよりも実際に経験して身につけていくことも重要なので今回はカメラワークの概要の話として捉えておいてください。
メ夢
仕事と趣味で絵を描いています。
一時期アニメーターをしていたこともあり、実名ですがウィキペディアの方にも少しだけ載ることが叶いました。
これから絵を描き始める人や少し躓いている方へ役立つサイトになるよう日々記事を更新中です。
どんなに下手でも続けていれば私程度の画力は有することができますので、画力向上の道しるべとして当ブログをお使いください。