見えない部分を意識することの重要性をご存知でしょうか?
絵を描く時にめんどくさいからと、最終的に見える部分だけを描きあげてしまっている方も多いと思います。
作業効率的に言えば見えない部分まで描かない方が完成するまでの時間が短いのは確かですが、それを始めのうちからやってしまうと変に歪んでる絵が出来たり、今まで隠していた部分をいざ描こうと思った時に全く描けなかったりすることが起こりえます。
パースや個々のパーツを最初から立体的に意識して描けるような人でない限りは見えない部分まで描いた方が上達にも繋がります。
今回は、そんな絵を描く上で見えない部分にどう対処していけばいいのかを中心に話を進めていきます。
見えない部分はどこまで意識する?
絵描きにとって、意識する部分が多くなればなるほど疎かになる部分が露見してきてしまうものです。
絵に限った話だけではなく普通の仕事をしていても相当頭のキャパシティが多い人でなければあれもこれもと次々にこなすことは難しいですよね?
何かを意識しすぎると他の部分が疎かになるのは仕方の無いことです。
その上で今回の見えない部分の意識に関してはどこまで意識するべきかがまず重要になってきます。
無論画面上の見えない部分を全て細かく意識するのが理想ではありますが、先程も言った通り以降の過程も考えると上級者でない限りは時間だけが掛かるだけになりますので、見えない部分の意識は必要な時に必要な分だけが理想です。

例えば、髪の毛をいきなり描くよりもその下にある隠れてしまう素体部分を描くことは頭の形に沿った髪の流れを意識できるので見えない部分の意識としては最終的に見えなくなって消さなければならなくなっても正しいと言えるでしょう。

しかし、その素体の後ろに蝶々が飛んでいて手前の素体に隠れている設定であったとしても、キャラクターを描いている現状ではそれを意識する優先順位が低いことは何となくわかると思います。

つまりは、現状描くべき部分によって見えない部分の意識を変えていくのが始めのうちは良いでしょう。

上の絵で言うなら、一番奥にある蝶々は意識しなくてもいいってことね
デッサン的な視点で言えば部分的に見てしまうのは絵に歪みが出る原因になるのでオススメはされないかもしれませんが、最初から全体を見て考えるよりは一つ一つの範囲を徐々に広げていく考え方でもいいと筆者は考えております。
見えない部分を何故意識する必要があるのか
見えない部分を意識するそもそもの理由はなんなのか?と思う方も多いと思います。
下に基盤(見えない部分)が視覚的にあることによって上に描かれるものを自然体で描きやすくするためです。
背景であればパースに沿った絵、人体であればデッサン的に正しい絵が描きやすくなるということになります。
いきなり見えない部分を描かずに1発で描こうとすれば不自然に見えてしまう場所が出てきますので時間短縮のためだけに一発描きをするのは初めの内はオススメしません。
ただし、世の中には一発描きでパースもデッサンもほぼ狂いのない絵を完成させてしまう人達がいることも事実です。
そのような技術があるのはあくまでも基礎がこれでもかと言うほど身についている状態だからです。
努力の賜物と言っても過言ではありません。ので、最初から結果を求めずに基礎から固めていきましょう。

一発で描けるならそれが理想ですが、デッサンも同時に狂いやすくなるので最初から無理して描こうとはしないほうが無難です
また、基礎を固めたいと思った方はコチラの記事もご覧下さい
見えない部分を描きすぎるのもダメ?
ここまで見えない部分や隠れる場所を描くようにと言ってきましたが、ものには限度があることも知っておきましょう。
今の時代はデジタルイラストが主流でレイヤー機能を使い何層にも絵を重ねることが可能ですが、画面自体が増えるわけではありません。
見えない部分を何層にも分けてパースやデッサンを極限まで正したとしても、線が多すぎてどの線を拾えばいいのか分からなくなってしまえば元も子もないでしょう。
そういう意味では見えない部分の描き込みは必要な分だけに留めておきましょう。
まとめ
今回はやたらとしつこく見えない部分についての話をさせて頂きました。
隠れるからと言って描かないままに進めることは歪んだ絵を完成させてしまう原因になります。
まずは、焦らず基礎を固めることを筆者はオススメします。
私もパースやデッサンについてはまだまだ足りない部分が多いです。逆に言えば基礎さえ固めていけば筆者程度の画力まではトントン拍子で進むのでめげずに続けて見てほしいです。
メ夢
仕事と趣味で絵を描いています。
一時期アニメーターをしていたこともあり、実名ですがウィキペディアの方にも少しだけ載ることが叶いました。
これから絵を描き始める人や少し躓いている方へ役立つサイトになるよう日々記事を更新中です。
どんなに下手でも続けていれば私程度の画力は有することができますので、画力向上の道しるべとして当ブログをお使いください。