一次創作と二次創作、イラストを描かない人でもどこかで聞いたことのある単語ではないでしょうか?
イラストを描いている人はもちろん、これから描こうと思っている人にも無関係な単語ではありません。
とは言っても直接的に画力に影響するわけでもないので積極的に違いを知らなくてもいいのですが、自分が描いているものは何にあたるのかくらいの判別は出来た方が役に立つこともあります。
今回は両者の違いを解説すると共に、そのメリットとデメリットにも焦点をあてていきます。
一次創作と二次創作は何が違う?
どういうことか、順に説明します。
一次創作とは
一次創作は0から1を生み出すことです。
一次とあるように、模範とした対象がなく自分がその作品の生みの親となる場合、その作品を一次創作と呼びます。
とは言っても完全に何も模範としてはいけないのかというと、そこまで追求されるものでもないです。
例えば、キャラクターイラストの服を描くためにファッション誌を資料として参考にした。という場合にそのキャラクターが一次創作でなくなってしまうわけではありません。

何も見ずに描けってことではないのね
もちろん、完全に服のデザインを丸パクリしたというなら一次創作とは言えないです。
資料として参考にする程度に新しいキャラクターを描いたというのであれば、一次創作と言っても問題ないでしょう。
資料を参考にするのもアウトならば、この世の大半のものが一次創作と呼べなくなってしまいますので。
二次創作とは
二次創作は既に存在する対象(キャラクター)を元に、新しい構図やシチュエーションで作り直した作品のことです。
作り直すと言っても模写するわけではなく、ポーズや表情、服装をアレンジして既存のキャラクターやものを自分流にアレンジしていきます。
模写は元の作品をそのまま描き写すことを意味しますが、二次創作は既存のキャラクターを参考にしたあくまで作り直しです。

模写して二次創作で作りましたとは絶対に公言しないようにしてくださいね
模写が出来ることで役立つことももちろんあります。
模写についてはコチラの記事で解説していますので気になる方は合わせて読んでみてください。
アニメーターのように元々あるキャラクターの設定画を見ながら多様な角度の線画を描く作業もある意味では二次創作に近いです。(アニメーターの場合は設定画に限りなく似させる作業も入るのでもっとシビアですが)
一般的な二次創作では自分の絵柄があふれ出ていて元の絵と似ていなくとも、既存キャラを元に描いた場合は二次創作になります。
一次創作とは既存キャラを参考としないオリジナルのものである
資料など参考にする分には一次創作でも全然問題ない
二次創作とは既存キャラを元に構図やシチュエーションを加えて作り直したものである
模写は二次創作とは言えない
一次創作のメリットとデメリット

一次創作をする場合のメリットとデメリットは何か?
こちらも順に見ていきましょう。
一次創作をする場合のメリット
分かりやすく言うとSNSでよくある、「うちの子」と呼ばれるものはその絵師がオリジナルで生み出した一次創作のキャラクターです。
一次創作である以上そのキャラクターをどう使うのも自分の自由です。
何物にも縛られない唯一無二の自分のキャラがいると、そのキャラを起点に商品化したり、漫画化したりと発想の転換がしやすいです。
また、一次創作キャラクターがSNSで上手くバズると企業の目に留まったり、他の人が二次創作で描いてくれたりと、絵師として自分の名前を売る事にも繋がっていきます。
一次創作をする場合のデメリット
一次創作物はバズりさえすれば、自分の財産として機能させやすいのは事実です。
ただ、多くの場合はオリジナルキャラクターの知名度の低さから数ある絵の中に埋もれていってしまう場合が多くなります。
絵師として名前が売れているのなら別ですが、基本的にはその時流行っているアニメや、ゲームのイラスト、後述しますが二次創作物に知名度で負けてしまいます。
一般的には、オリジナルイラストよりも二次創作物の方が人の目に留まりやすいです。
検索から絵師の名前を調べてイラストを見ている人より、流行りのアニメゲームを調べたついでに流れてくるイラストを見ている人の方が圧倒的に多いでしょう。
二次創作のメリットとデメリット
次に、二次創作をするメリットとデメリットを順に見ていきましょう。
二次創作をする場合のメリット
服や髪型を一から考えなくていいのはデザインを考える時間の短縮になり、一枚当たりに掛ける時間も少なくなります。
デザインが苦手という方でも二次創作であれば、すでにあるデザインを参考に描けるので絵も自然と見栄えのあるものになりやすいです。
もちろん、ポーズや表情といった人体の基本的な画力は必要になってきますが、一次創作よりも手間なく描けるのはメリットと言えるでしょう。
また、上述したように一次創作よりも二次創作は目立ちやすい傾向にあります。
自分の絵師としての名前を売りたい場合には一次創作のオリジナルキャラクターよりも有名キャラクターを二次創作で描く方が拡散される可能性は高いと言えます。
二次創作する場合のデメリット
いざ描いてみたら、二次創作を描く時よりもデザインがぱっとしないということはよくある話です。
二次創作自体がデザインの勉強になるのは間違いないですが、やはり自分でオリジナルキャラクターを描く練習をしないことには中々デザイン力というのは身に付きません。
模写や二次創作は出来るけどオリジナル絵が描けないという問題については以下の記事で書いていますので合わせて読んでみてください。
また、商用利用するのも微妙なラインです。
グッズを作ったりする分には黙認される場合が多いですが、自分のキャラクターとして使うことはできないので自分で描いたものであったとしてもある程度扱いには注意が必要になります。
まとめ
一次創作と二次創作のどちらともにメリットとデメリットがあります。
絵を描く上ではどちらの創作物も作る機会があると思いますが、描いた絵をどうしたいのかで一次創作をするのか二次創作をするのかを決めると進めやすいです。
絵を描くときに、正直あまり深く気にするようなものでもないかもしれませんが、頭の片隅に知識として入れておきましょう。
メ夢
仕事と趣味で絵を描いています。
一時期アニメーターをしていたこともあり、実名ですがウィキペディアの方にも少しだけ載ることが叶いました。
これから絵を描き始める人や少し躓いている方へ役立つサイトになるよう日々記事を更新中です。
どんなに下手でも続けていれば私程度の画力は有することができますので、画力向上の道しるべとして当ブログをお使いください。