唐突な話になりますが、信号機は皆様ご存じでしょう。
赤、青、黄色、とてもシンプルで見やすい色合いです。
信号機の赤は危険を、黄色は警告を、青は安全を人に認識させてくれています。
色はこのように人の認識を高めてくれるもので、それはイラストにおいても当てはまります。
状況に応じて色の持つ意味合いも変わってきますが、イラストが人に与える感情を操作する一つの手法。
配色というテクニックについて今回はまとめた記事になります。
見栄えの良い配色とは?
色自体の組み合わせも大事ですが、色の組み合わせは千差万別で個人の好き嫌いによるところが大きいため、この色がよくてあの色は良くないという否定は今回はしません。
ただ、どの組み合わせのどの色にも存在する明度と彩度という概念には良さ悪さがあります。
一般的に見栄えの良い配色とは、隣り合ったときの互いの色(明度彩度)が判別しやすい状態にあることが多いです。
実際にはもっと意味が深いですが、大雑把に覚えておきましょう。
それらを踏まえて参考に以下の画像を見ていきます。

黒の隣に薄い灰色を並べてあります。
この状態だと隣に灰色があるという認識が十分可能ですが、

隣の灰色を上の画像のように、黒色に近い色合いへ置きかえるとどうでしょう?
途端に隣にある色とその境界が曖昧になったかと思います。
これがいわゆる明度が近い(同じに近い)状態というものです。
次に、彩度を加えて分かりやすくイラストで例えてみましょう。

上の画像は明度と彩度が共に低い状態のイラストです。
どちらも低いので本来色があるべきところも暗くなっています。

こちらの画像は明度が低く彩度が高いイラストです。
彩度が高いため色は見えますが、明度が低いので暗がりの中に無理やり色を置いたような状態になっています。

こちらの画像は明度が高く彩度が低い状態のイラストです。
明度が高いため全体的な造形は見えやすいですが、彩度が低いため色が消えかけています。

こちらの画像は明度、彩度の均衡が保たれている状態のイラストです。
上のイラストのように元々の服が黒であるケースも珍しくありません。
その場合は、下地の黒色をやや明るめに配色し、影により濃い黒を配色する等、明暗がなるべく分かるような配色をしましょう。
また配色だけでなく、空気遠近法についても同時に理解しておくとより良い見栄えの表現に繋がります。
気になる方は以下の記事も合わせて読んでみてください。
見栄えの悪い配色とは?
上述したように、
では明度彩度だけを意識すれば見栄えは良くなるのかというと、これもまた違います。
以下の画像を参考に見ていきましょう。

こちらは先ほどのイラストの全体像ですが、配色に注目してみてください。
主に使ってる色は黒色です。
他の色は極力使わないようにして全体の統一感を出しています。
帽子は赤、服は緑、マフラーは黄色、スカートは青などのように、配色数を増やすほど全体のバランスを取るのが難しくなるので気を付けましょう。
自分のイラストに統一感を感じないようであれば、一度色数を減らして調整してみると大きく改善されることが多いです。
配色に迷ったときは?
とは言っても、どのような色で配色すればいいのかそもそも決まらないという方も多いでしょう。
何色と何色の相性が良くて、どの組み合わせはまずいのか、それを考えた上で色数も絞らなければいけないとなると考えるのも一苦労です。
よくある色の塗り方や描き方云々の本ではなく、配色のみに特化した参考本を使いましょう。
中でも筆者がオススメしている以下の配色本は幅広い用途での配色に対応している参考本です。
配色本としては有名で昔からある書籍です。
手帳というだけあって、色の使い道からその色が人に与える効果までを分かりやすく直感的に覚えることができます。
気になる方は一度目を通してみてください。
まとめ
今回は配色について明度彩度に焦点を絞り解説しました。
明度と彩度どちらかが極端に高かったり低かったりしてしまうだけで見栄えは大きく変わってしまいます。
イラストの傾向に合わせて明度彩度を調整し、色数は統一感を持たせる配色を心がけるだけでも見栄えは良くなります。
また、どうしても自分の配色にセンスを感じないという場合は思い切って参考本を使うのも一つの手です。
今回紹介した配色についてのテクニックや参考本を是非自分のイラストに活かしてみてください。
メ夢
仕事と趣味で絵を描いています。
一時期アニメーターをしていたこともあり、実名ですがウィキペディアの方にも少しだけ載ることが叶いました。
これから絵を描き始める人や少し躓いている方へ役立つサイトになるよう日々記事を更新中です。
どんなに下手でも続けていれば私程度の画力は有することができますので、画力向上の道しるべとして当ブログをお使いください。