イラストを描いていると、毛束のようなまとまりを描かなければならなくなる時が割と多く訪れます。
毛を一本一本丁寧に描いていくのもいいですが、一つのまとまりとして省略をすることも可能です。
まとまりとして省略することでイラストを描く上での製作時間の短縮にも繋がります。
今回は、毛の省略した描き方をしたいけどいまいち要領がつかめないという方や、そもそもの省略方法を覚えたいという初心者の方に向けた描き方についての解説です。
また、前回髪の毛の描き方についても似たような手法で解説していますので、気になる方は合わせて読んでみて下さい。
簡単に描ける毛束の省略方法解説
省略のモデルとする毛束ですが、今回は筆をモデルにして省略していきます。
形を捉えやすいため、比較的描きやすいモデルです。
では、まず初めに大まかな筆の形を描いていきましょう。

全く描きこむ必要はありませんので、上の画像のように線を二本曲線で先端を細くするイメージで描いてみてください。
細部から描きこんでいく方法もありますが、シンプルな形を基盤にしてそこに付け足していく描き方の方が全体的なバランスが取れます。

次に先端を増やす要領で曲線を描き足します。
先端は細さを維持したいので太くなりすぎないように意識してください。
後でいらない線は消すので線のはみ出しや、線と線の重なりは雑でも意識しなくて大丈夫です。

逆サイドに細めの先端を描き足します。
先端が同じ向きにならないように、逆側に反らすと自然な感じになりやすいです。

今度は先端をクロスするように毛の流れに逆らうような目立つ束を描き足します。
すべての束を毛の流れの通りに描くよりも流れに逆らうような束があると自然な表現につながります。

内側の毛束を表現するために、外側から中に割り込むような線を入れます。
この段階で先端部分のいらない線を消しますが、毛の流れに逆らっている毛束の線は消さない方が自然に見えます。
省略した毛束ということであれば、このくらいの描きこみで完成になります。

こちらは更に描きこんだものですが、省略した基盤の形ができていればあとは毛の流れに沿って線を引いていくだけなので、曲線を何本か追加してみて試してみてください。

細かなタッチも一見複雑なように思えますが、画像赤丸部のようなタッチを数か所に入れるだけで真似できます。
毛束の省略で意識するポイントは?
毛束の省略においては、毛の流れを意識することが大切です。

画像のように青矢印の流れを意識するだけでも描きやすさに影響してきます。
上述した流れに逆らった毛を描くという表現がいまいちわからなかった人も、画像のように矢印を引いてみると流れに逆らった線を引きやすくなります。

また、毛束は先端をばらけさせておくだけでもそれっぽさが出ます。
特に描きこむ必要がないのであれば、まとまりの先端だけばらけさせておけばイラスト一枚を仕上げる時間の短縮にもなりますので活用してみてください。
まとめ
毛束の省略法として今回は、筆をモデルに説明しました。
筆以外でも、例えばポニーテールの髪の毛を描くときや、前髪の束を描くときなど参考にしてみてください。
先端の意識と流れに逆らった束の意識が出来れば比較的簡単に省略は可能です。
流れがイメージしにくいときは、別レイヤーに矢印だけ描きこみながら流れを確認するのも一つの手です。
毛の種類によっては今回の省略法とは別の描き方をしなければならない時もありますが、基本的な考え方は変わらず、シンプルな基盤を描いてから付け足していくのがベストです。
省略法を覚えればイラスト一枚あたりに掛ける時間を減らすこともできますので、意識して取り組んでみてください。
メ夢
仕事と趣味で絵を描いています。
一時期アニメーターをしていたこともあり、実名ですがウィキペディアの方にも少しだけ載ることが叶いました。
これから絵を描き始める人や少し躓いている方へ役立つサイトになるよう日々記事を更新中です。
どんなに下手でも続けていれば私程度の画力は有することができますので、画力向上の道しるべとして当ブログをお使いください。