絵が簡単に上手くなる方法で一時話題になった「丸を描く」練習はご存知でしょうか? 丸を描くだけで絵が上手くなるならと取り組んだ経験がある人もいると思います。
しかし、実際にどのような効果があるのかを理解していなければ何が身についているのかもわかりません。
今回はそんな「丸を描く」練習から得られる経験の真実をお伝えします!
上手くなるのは絵ではない

丸を描き続けることで上達するのは丸を描く技術です。
丸だけを毎日ひたすらに描いていれば絵が上手くなるということは残念ながらありません。

やっぱり、そう上手い話じゃないわよね…
では何故丸が上手くなるだけなのか?と疑問が浮かぶ人もいるでしょう。
絵は経験と記憶と想像の組み合わせで完成するものです。
記憶が想像を膨らまし、経験が技術を補完します。
丸だけを描き続けることで得られる記憶は丸の形のみです。
同じく、丸を描き続けることで得られる経験は丸を描く技術に繋がります。
ただ闇雲に丸だけを描き続けたところで絵そのものの上達は難しいでしょう。

絵を描くなら絵を勉強しないといけないですよ
今まで信じて丸を描くことに専念して来た人は、今の入門者向けの練習から先の練習をしっかり始めましょう。
オススメの練習を確認したい方はこちらの記事もご覧下さい。
なぜ丸で上手くなると言われるのか

では、なぜ丸を描くことが絵の上達に繋がると言われるのか疑問に思う人も一定数いると思います。

確かに、それは私も気になるわね
これは丸を描こうとする行動そのものが必然的に始点と終点を意識するストローク(軌道のある動き)の技術向上に繋がるためでしょう。

ストロークとは始まりから終わりの1工程を指します。
テストの丸つけの丸をイメージしてみてください。
大体は一筆描きで丸をつけることが叶うと思います。
その丸を描く際の手の動きがストロークだと思ってください。
この始点と終点を意識するストロークは線画をラフから描き起こす際や、綺麗な線を引くときに役立つことになります。

丸を描く練習は手の動かし方の練習って感じですね
キャラクターの輪郭を一筆描きで描くのと、何回も細々とした線で描くのとでは見栄えが違うのは想像がつくはずです。
丸を描く練習の本質はこのストロークを意識するための練習となります。
この練習で効果を実感したいなら

丸を描くことだけでは画力向上は難しいです。
しかしながら、意識する部分をハッキリさせることで基礎練習にはなり得ます。
上述したように、始点と終点(丸の始めと終わり)をピッタリと繋げる一筆描きのストロークを意識することで線画を綺麗に描く感覚を少なからず養えるはずです。
本来なら丸を描くよりも絵を1枚完成させる方が圧倒的に上手くはなりやすいですし、作品数も増えるため時間があるならば意図して取り組む練習にはするべきではないでしょう。
どうしても時間が取れない人やサボり防止をする目的で取り組む最終手段くらいに考えておくのがベストです。
時間がない、サボり防止以前の問題としてそもそも描く気が起きないという人はこちらの記事も1度目を通してみてください。
まとめ
丸を描く練習にはメリットよりもデメリットの方が多いです。
丸を描く時間が取れるならその時間を絵に当ててしまう方が最終的には上手くなれます。
絵を描き始めて数日しか経っていないという入門者向けの練習として考えるならばまだオススメは出来ますが、本気で上手くなろうとして取り組む練習ではないはずです。
簡単に上手くなるなんて甘い言葉に惑わされて噂になる程度に知名度がある練習ですが、どれだけ頑張って丸を描いても上手くなるのは丸だけということをしっかり受け止めておいてください。
メ夢
仕事と趣味で絵を描いています。
一時期アニメーターをしていたこともあり、実名ですがウィキペディアの方にも少しだけ載ることが叶いました。
これから絵を描き始める人や少し躓いている方へ役立つサイトになるよう日々記事を更新中です。
どんなに下手でも続けていれば私程度の画力は有することができますので、画力向上の道しるべとして当ブログをお使いください。